形より運筆 楷書と行書
目次
- 筆の持ち方 肘の張りかた
- 筆の持ち方・・・ 人差指だけ 中指も添えて2本にするか
- 追加の 指使い 親指と手の平 卵
- さらに追加 手の甲の角度
- 肘の張りかた・・・ やっとここに来た
- やっと 本題 行書と楷書の違い 肘と腕の使い方 平行かぶんぶん回すか
- さらに 余談 穂先から目を離さないで
筆の持ち方 肘の張りかた
筆を持つのは いろんな方法があります
筆管に 人差指だけ添えるか 中指も添えるか
手首の甲をどれだけ持ち上げるか
親指の位置はどこにするか
肘の張りかたは どれにしても同じです
しっかり水平になるように張ります
筆の持ち方・・・ 人差指だけ 中指も添えて2本にするか
人差指だけ
僕は基本的に この方法です
大事なのは 指先の感覚が筆の反発をどれくらい感じるか です‼
中指も添えて2本にする
これは筆管をまっすぐに固定するため だと思います
多くの先生方が この2本持ちをされているみたいです
筆管を固定する代表的な方法は けんわん かなと思ったら 廻腕執筆だそうです
これは 北魏あたりの楷書を書く時の代表的な方法です
歴史的なことは ここでは省略します
追加の 指使い 親指と手の平 卵
人差指 中指 それに親指
どれにしても 指先で持ちます
かなり大きの人が 指の指紋のあるところで持ってますが これは困ります
先に書いたように 筆の反発を感じるためです
例えて言えば 豆みたいなものを 摘まもうとするとき
あるいは とげを抜こうとするとき 指を丸めて ほぼ爪先をたてて 指を丸くします
これが 筆の持ち方です
特に 親指は 第一関節が立つように とげを抜くときみたいにします
これは かなり大事です
このように 指の爪先を立てるようにすると 掌が 卵を包むような形に丸くなります
これで 筆を持つ手の形が完成します
さらに追加 手の甲の角度
手の甲は 腕に対して ほぼ垂直に近く 45度からもっと立てたくらいです
こうすると 筆先が 紙に対して ほぼ垂直に当たるようになります
この 紙に対する 穂先の角度が とても大事です
ある意味 この角度で どの古典を書くか 決まるといってもいいです
穂先の角度 穂先のどの位置を使うか 実は 大事な"キモ”なんです
穂先の角度 つかいかたは 指 手の甲の角度で決まります
肘の張りかた・・・ やっとここに来た
肘は とにかく 張ってください
座って書く場合 机と水平になるような張りかたです
立って書く場合も 紙を床において 書く時も やっぱり水平です
おもいきり張ってるつもりで 書いてください
肘が下がると まず書けません‼
線に勢いがなくなるし 湾曲して 直線になりません
直線を引こうと思って 引くのではなく 肘で書くつもりで 腕を動かしてください
やっと 本題 行書と楷書の違い 肘と腕の使い方 平行かぶんぶん回すか
これまで話した 指 (人差指 中指 親指) 手の甲の角度 肘の張りかた
行書も楷書も基本的にこのままで 変わることはありません
運筆に関して 多少違うと思うので この次 書きます
ここでは 肘の使い方 腕の使い方を書こうと思います
楷書 ・・・平行
肘をしっかり張って 机に平行にして移動します
この時 一気に同じ速度で引くか 押し込むように引くか ぐっ ぐっ ぐーんと分けて引くか
書きたい古典によって変わります ちなみに 県によってもかなり違います
行書 ・・・ぐるぐる回す
肘を張って ここまで同じ 肘を右上楕円状にぐるぐる回します
ちなみに 木簡 隷書は左斜め上に 突っ込むように回します (余談)
行書でも 米元章を書きたいときは 肘を大きく右に引っ張ることがあります
でも おおわくは 右斜め上に楕円形を書くように 肘をぶんぶん回します
さらに 余談 穂先から目を離さないで
お習字を練習するとき 大方は手本をおいて 練習します 当然なんですが
このとき 手本をしっかり見たいと思います
しかし お手本と 自分の書いている字を どの割合でみるでしょう
一緒に お稽古している皆さんを見ていると 8割手本 2割自分の字 という感じ
それも 交互に見るので じっと見ることは ほとんどない という感じ
これは 良くないと思うのです
自分の書く字の それも 筆の穂先を集中してみてほしいのです
どんな字になったかな とか 書いた後を見るのではなく 穂先と墨に集中して
結果としての字形は 手本と一緒に窓にでも貼り付けたら 一目瞭然です
ここで言いたいのは 字形を追いかけるのではなく 筆の使い方に集中してほしいと
お習字の稽古は 字形を追いかけると思いがちだし
およそ お習字教室では 朱筆で添削してもらいますが 結果だけ見てませんか
先生がどのような筆運びで 添削されたか 穂先や指や 腕の運び方を見たことありますか
ここをしっかり見てください きっと あーそうだったのか と発見の瞬間があると思います